はじめに:TEAM NACSという奇跡のユニット
TEAM NACSは、北海道の大学演劇サークルから生まれた5人組ユニット。
地方発信ながら全国区の人気を誇り、個々の俳優活動も充実している稀有な存在です。
そんな彼らの結成25周年を祝う番組が『がんばれ!TEAM NACS』。
ただの記念番組ではなく、ジャンルの枠を超えた“フェイクドキュメンタリー”という挑戦的な作品です。
番組概要と制作陣のこだわり
・放送期間:2021年6月20日〜8月15日(全9話)
・放送局:WOWOWプライム/WOWOW4K/WOWOWオンデマンド
・構成・脚本:竹村武司(『モテキ』『バイプレイヤーズ』など)
・監督:堀切園健太郎(NHK『篤姫』『外事警察』)
・撮影機材:ARRI ALEXA 65(日本初使用)
この番組は、テレビの常識を覆すような構成で、リアルとフィクションの境界線を曖昧にしながら進行します。
まるでドキュメンタリーのように見せかけて、実は緻密な脚本が存在するという二重構造。
視聴者は「これは本当?それとも演出?」と何度も揺さぶられます。
メンバーの役割と企画の深み
🎬 『バック・トゥ・ザ・戦隊・フューチャーズ』
音尾琢真が学生時代から温めていた企画。
戦隊ヒーローものをTEAM NACS流にアレンジし、カオスな展開に。
・森崎博之 : ドクレッド(赤)
・大泉洋 : ドクブルー(青)
・戸次重幸 : ドクピンク(ピンク)
・安田顕 : バフン男(悪役)
・音尾琢真 : 監督・脚本
この企画は、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』へのオマージュでありながら、TEAM NACSの演技力とユーモアが炸裂する名場面の連続です。
🎤 楽曲制作と「空」
番組の最終回では、大泉洋が作詞・作曲した「空」をメンバー全員で歌唱。
これは単なるエンディング曲ではなく、番組全体のテーマ「絆」「挑戦」「継続」を象徴する魂の一曲です。
🎭 新メンバーオーディション
フェイク企画として行われたオーディションでは、戸次重幸の“巨乳女性ばかり選ぶ”という暴走ぶりが話題に。
バラエティとしての笑いと、演劇人としての真剣さが同居する不思議な空間が生まれました。
メイキング映像の価値
WOWOWオンデマンドで配信されたメイキング映像は、ファンにとって“裏の本編”。
NGシーン、企画会議、音尾の怪我による企画変更など、現場の空気がそのまま伝わってきます。
特に、大泉洋の即興演奏や安田顕の暴走は必見。
北海道ロケ地巡礼ガイド
①CREATIVE OFFICE CUE(札幌):TEAM NACSの所属事務所 ⭐⭐⭐⭐
②小樽運河 :ドライブ旅のロケ地候補 ⭐⭐⭐⭐
③美瑛の丘 :北海道らしい絶景 ⭐⭐⭐⭐
④阿寒湖 :音尾琢真の故郷近く ⭐⭐⭐
北海道の風景が番組の情緒を支えており、ロケ地巡礼はファンにとって聖地巡礼のような体験になります。
特に、札幌市内の居酒屋での語らいシーンは、実際に訪れてみたくなるほどのリアリティがあります。
劇場版の魅力
2021年9月に公開された『劇場版 がんばれ!TEAM NACS』は、未公開シーンやインタビューを加えた再編集版。
テレビでは見られない深掘りがされており、ファンならずとも楽しめる内容です。
150分という長尺ながら、テンポよく展開するため、時間を忘れて没入できます。
他では語られない“本質”
この番組の本質は、「TEAM NACSという存在そのもののドキュメンタリー」だと言えます。
フェイクでありながら、彼らの関係性、葛藤、挑戦、そして北海道への愛がリアルに描かれている。
台本があるからこそ、逆に“本物”が浮き彫りになるという逆説的な構造が、他の番組にはない深みを生んでいます。
まとめ:観るべき理由
『がんばれ!TEAM NACS』は、ただの記念番組ではありません。
演劇、バラエティ、ドキュメンタリーの融合という挑戦的な構成で、TEAM NACSの魅力を余すことなく伝えています。
笑って泣けて、北海道の風景に癒される。そんな作品が、今こそ必要なのではないでしょうか。
Blu-rayやDVDも発売中。まだ観ていない方は、ぜひこの機会にチェックしてみてください!
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